(掲載 2026年10月20日)
Qt MailNews 2025-04号を基に改訂。原稿の情報時点:2025-04。改訂:2026年10月20日。
Qt 6 QML Book は、QML によるアプリケーション開発を学ぶためのガイドです。本記事は 2025年4月の原稿で紹介した20章構成を基に、読む順序と各章の役割を案内します。Web 版と PDF 版は更新されるため、ページ数や章名は入手した版の目次と照合してください。
Qt 6 QML Book は、以下のサイトから入手可能です。
Qt 6 QML Book: A Detailed Guide to Using Qt https://www.qt.io/product/qt6/qml-book
▼ Qt 6 QML Book の章構成
元々 Qt 5 用に書かれた「The QML Book (Qt 5 Cadaques)」を基にしており、章構成はほとんど同じで、数章のみ変更されています。
Qt 5 Cadaques — Qt 5 Cadaques Book https://qmlbook.github.io
大まかに 3 部構成となっています。
最初の数章、つまり第 5 章あるいは第 7 章までは入門編として位置づけられ、QMLを学ぶためには必ず読んでおくべき内容となっています。
第 6 章から第 14 章までは、各章ごとに独立した話題です (ただし、7 章で紹介されるモデルは多くの章で利用されています)。興味のある話題を好きな順番で読み進めることが可能です。
第 15 章以降では、動的 QML、JavaScript の詳細、そして C++ と QML の連携など、より高度な内容に焦点を当てています。これらは非常に重要なテーマであり、しっかりと理解する必要があります。動的な画面生成や C++ 連携が必要になった段階で、第 15 章から第 18 章を読むと、実装との関係を理解しやすくなります。また、プロトタイピングに有用な Qt for Python の C++ バインディングおよび QML の扱いについては第 19 章で、商用ライセンスでのみ提供される Qt for MCUs について第 20 章で説明されています。
▼ 各章の概要説明
注) Qt 6 QML Book の PDF ドキュメントの説明で章番号を使っていますが、タイトルと目次で章番号が付記されていません。また、PDF ドキュメントと Webドキュメントで目次の章見出しが異なっているものがあります。以降の章タイトルの括弧内は Web ドキュメントの章見出しです。
1. Qt and Qt Quick (Meet Qt)
Qt と Qt Quick の役割、アプリケーションの構成をつかみます。
2. Quick Start (Getting Started)
開発環境の準備と、小さなアプリケーションの作成に取り組みます。
3. Qt Creator IDE
Qt Creator のプロジェクト管理、編集、ビルド、デバッグの基本操作を学びます。
4. Quick Starter
QML の基本構文、プロパティ、バインディング、コンポーネントを学びます。
5. Fluid Elements
アニメーション、状態、トランジションによる動きの付け方を学びます。
6. UI Controls (QtQuick Controls)
ボタンなどの標準コントロールとスタイルを使い、操作できる画面を組み立てます。
7. Model-View-Delegate (Model View)
モデル・ビュー・デリゲートを分けて、データの一覧表示を設計します。
8. Canvas Element (Canvas)
Canvas の 2D 描画 API と座標変換を学びます。
9. Shapes
パスを使った図形の描画を学びます。
10. Effects in QML (Effects)
パーティクルやシェーダーによる視覚効果を扱います。
11. Multimedia
音声・動画などを扱う Qt Multimedia の利用例を確認します。
12. Qt Quick 3D
Qt Quick の画面に 3D シーンを組み合わせる方法を学びます。
13. Networking
ネットワーク通信と QML 側の表示・操作をつなぐ方法を扱います。
14. Storage
設定とローカルデータの保存を学びます。QML から利用できる保存機能もあり、保存処理すべてに独自の C++ バックエンドが必要なわけではありません。
15. Dynamic QML
Loader などを使った動的なオブジェクト生成と接続を学びます。
16. JavaScript
QML 内で使う JavaScript と、Web ブラウザーの実行環境との違いを学びます。
17. Qt and C++ (Qt C++)
Qt の C++ 側の仕組みと、QML との連携に必要な基礎を確認します。
18. Extending QML with C++ (Extending QML)
型登録などを通じて C++ の機能を QML に公開する方法を学びます。
19. Qt for Python
Python から Qt を扱い、QML と連携する方法を学びます。
20. Qt for MCUs
マイクロコントローラー向けの Qt for MCUs を紹介します。デスクトップ向け Qt Quick と同じ API がすべて使えるわけではない点に注意します。
▼ まとめ
最初は基本構文と小さな画面作成を学び、一覧表示、通信、保存、C++ 連携を必要に応じて読み進める使い方がおすすめです。書籍のサンプルを動かす際には、使用する Qt の版で API とモジュールの変更点を確認してください。
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