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コラム:Qt Creator で GitHub Copilot を使う

コラム本文

(掲載 2026年10月20日)

Qt MailNews 2026-07号を基に改訂。原稿の情報時点:2026-07。改訂:2026年10月20日。

▼ Qt Creator で GitHub Copilot を使う

Qt Creator には、GitHub Copilot をエディタ内で利用するための Copilot プラグインが用意されています。Qt Creator の中で直接利用できる AI 支援として、GitHub Copilot の設定と使い方を見ていきます。

Copilot プラグインは標準では無効です。利用するには、まずプラグインを有効にしたうえで Qt Creator を再起動し、Preferences > AI > Copilot で Enable Copilotを有効にします。GitHub Copilot の有効なサブスクリプションが必要で、設定にある Sign Inボタンから GitHub アカウントで認証します。また、Node.js と GitHub Copilot Neovim プラグインに含まれる language-server.js のパスを設定する必要があります。Qt Creator 自体に大きな AI モデルが組み込まれているわけではなく、Copilotの言語サーバーを介して候補を受け取る構成です。

設定画面では、入力中に自動で候補を要求する Auto request、GitHub Enterprise のURL、プロキシ、証明書検証に関する項目も設定できます。社内ネットワークやEnterprise 環境で利用する場合は、このあたりの設定が実際の導入作業で重要になります。一方、個人の通常の GitHub Copilot サブスクリプションで試すのであれば、Node.js と language-server.js の場所を正しく指定し、GitHub 認証を完了することが主な作業です。

実際の編集では、Qt Creator の編集モードで C++ や QML のコードを書いていると、現在のカーソル位置と周辺の文脈に応じて候補が表示されます。候補全体を採用する場合はタブキーを使います。候補の一部だけを使いたい場合は、単語単位で取り込む操作もできます。複数の候補がある場合は前後の候補に切り替えられるため、最初に表示された内容をそのまま受け入れるだけでなく、意図に近い候補を選んでから採用できます。

自動候補を常に出したくない場合は、グローバルに Copilot の提案をオン/オフできます。さらに、Projects > Project Settings > Copilot では、プロジェクトごとにグローバル設定を使うか、個別に有効/無効を切り替えるかを選べます。たとえば個人のサンプルプロジェクトでは有効にし、外部サービスへコードを送れない業務プロジェクトでは無効にする、といった運用ができます。

導入の前提

Qt の開発で Copilot が役立つのは、定型的な C++ コード、テストコード、プロパティやシグナル・スロット周辺の補助的な実装、QML の部品追加などです。既存のクラス名、メンバー名、周辺コードの書き方を見ながら候補を出すため、空のファイルに万能な答えを生成させるよりも、すでにあるプロジェクトの文脈に沿った補完として使うほうが実用的です。前月に扱った MCP サーバーが「Qt Creator の外から AIエージェントがビルドやデバッグの状態を見る」ための機能だとすれば、Copilot は「Qt Creator の中で開発者が書いているコードの続きを提案する」機能と考えると位置づけが分かりやすいと思います。

ただし、Copilot の候補は必ず確認が必要です。Qt のバージョンやプロジェクトのコーディング方針に合わない API を使うこともありますし、QObject の親子関係、スレッド境界、シグナル接続、所有権の扱いなど、Qt では動けばよいだけでは済まない部分もあります。候補を採用した後は、通常のコードレビューと同じように、ビルド、テスト、実行時の挙動を確認する必要があります。

また、Copilot を有効にする場合は、GitHub の利用条件や組織のポリシーを確認する必要があります。Qt Creator のドキュメントでも、コードへのアクセス権、著作権、候補の正確性について利用者が理解し、責任を持つ必要があると説明されています。特に未公開の製品コードや顧客コードを扱う環境では、技術的に設定できるかだけでなく、送信してよい情報の範囲を先に整理しておくべきです。

Qt Creator の AI 関連機能は、MCP サーバーのように外部エージェントと連携する方向と、Copilot のようにエディタ内のコード補完を強化する方向の両方で整備されています。どちらも開発者の判断を置き換えるものではありませんが、繰り返しの多い実装や、実行状態を確認しながらの調査を支援する道具として使うと、Qt の開発作業を進めやすくなります。

GitHub Copilot を使うhttps://doc.qt.io/qtcreator/ja/creator-copilot.html

Qt における生成 AI 機能の紹介https://www.qt.io/ja-jp/blog/introducing-generative-ai-in-qt

最初に確認すること

  1. プラグインを有効にし、サインインと候補の表示を確認します。
  2. 小さな関数で候補を受け入れ、意図・型・所有権をレビューします。
  3. ビルドと関連テストで採否を決めます。候補が出たことと動作が正しいことは別々に確認します。

設定名や必要な関連ツールは Qt Creator の版によって変わるため、利用する版の GitHub Copilot 連携の公式手順 を確認してください。

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