山形県庁文書管理システム

背景

自治体におけるOSS利用の現状

自治体におけるオープンソースソフトウェア(OSS) の業務への適用は、サーバに関しては順調に普及が進んでいる一方で、デスクトップの普及についてはまだまだ進んでないのが現状です。OSSを活用したデスクトップは一定の可用性を持ち、コストの面でも既存のIT環境に比べて優位な点を持つことが実証されているにもかかわらず、普及が促進されていません。その要因のひとつとして、ユーザ認証基盤、文書管理基盤等の基盤的システムに相互運用性が乏しく、OSSデスクトップを既存システムに共存させながら導入し、移行することが難しいことが上げられます。

山形県庁におけるIT化の取組み

山形県庁では平成13年度に県域WANとして「山形県基幹高速通信ネットワーク」を整備し、県庁及び県内アクセスポイント間をギガビットネットワークで繋ぎ、その他県出先機関、市町村を100Mbpsのネットワークで接続し、ネットワークインフラを整備するとともに、職員用ネットワークPCを5500台整備し、電子県庁の推進に向けたインフラ整備を行っている。

山形県庁でのOSS利用の現状

山形県庁ではbind、Sendmail、Apache等の一般的なOSS利用のほか、全庁Cifsとしてsambaを活用しているほか、業務システムの構築においてもTomcat、JbossといったアプリケーションサーバやDBとしてPostgreSQL等を活用したシステム構築も実施し、OSSを積極的に活用しています。また、平成16年度に総務省共同アウトソーシング実証事業において、福岡県等と共同で市町村向け財務会計システムをオープンソース(Apache、Tomcat利用)で開発、実証実験を実施しており、OSS活用の利点を十分理解しています。

山形県庁での文書管理システムの現状

山形県庁では文書管理システムは導入されていないものの、平成14年度に総務省の検証事業で基本構想事業を行っており、その後も情報システムフレームワークのなかでも検討をするなど、継続的に調査、分析等を実施しています。文書管理業務は自治体業務の根幹であり、「使い勝手の良い文書管理システム」の構築は業務の効率化ばかりではなく、将来的には公文書公開システムに繋がる重要な位置付けとなります。しかし、これまで多くの自治体で導入されている文書管理システムは高額なパッケージシステムであるが、利用率が低く、度々、費用対効果が問われています。その結果一部の自治体ではハンドリングツール等を活用した新たな発想による文書管理システムの検討が見られるようになっています。山形県庁においても同様の取組みがなされており、電子ファイルを一つのPDFファイルにまとめ、電子の稟議書に電子印鑑を捺すという紙に近いプロセスで、シンプルに文書登録、保管、管理、検索といった機能を実現する方法を検討してきました。

SOA基盤の現状

SOA導入の目的は、業務改善要求に対して、システムをいかに柔軟に対応させるかと言う点にあります。SOA導入により、サービス化された個々のアプリケーションを柔軟に組み合わせることが可能なため、システムも変化に柔軟に対応することができるようになります。また、各サービスは特定のインフラに依存しない為ベンダーやプラットフォーム選択肢の幅が大きく広がることになります。近年各ベンダーよりSOA基盤の製品が発売され始めていますが、一般的に広く導入されるまでにはまだ至っていません。SRAでは数年前よりこのSOAの有用性に注目しOSSによるSOA基盤の普及を推進してきました。SOAの基盤であるESBを、OSSの組み合わせにより実現しています。世界中で公開されているOSSを選定・動作確認し公開(無償ダウンロード)しています。

 
背景.txt · 最終更新: 2006/12/04 11:23