標準化に当たってまず問題となるのは,当然のことながら文字コードです.DNSはインターネット上のグローバルなサービスです.したがって「日本はシフトJISね」「台湾はBig5ね」などと各地域で勝手に決めてしまうわけにはいきません.プロトコルを国際化する際の文字集合に関してはRFC2277で「インターネット上のプロトコルを国際化する際にはUTF-8(これはISO10646(いわゆるUnicodeと思ってよいです)のエンコーディングの一つ)をサポートすべし」と述べられていることもあって,UTF-8の採用が有力です. ただ問題は,現行のDNSプロトコルではドメイン名にASCIIの英数字とハイフンしか許していないことです.UTF-8はこの範囲を越え,8ビット目の立ったバイトも使用しますから,現行のプロトコルに従う限りUTF-8をそのまま使うことはできません.このためプロトコルの変更・拡張が検討されています. プロトコルの規定を変えて,UTF-8をそのままドメイン名に入れるようにしようという提案もありますが,従来のシステムとの互換性を考えるとあまりよい方法ではないので,代わりにDNSの拡張機能を使用して指定できるようにしようという方法が提案されています.この方法なら,クライアントが拡張機能をサポートしているかどうかによってDNSサーバでの処理を変えることも可能です.また,現行のプロトコルではドメイン名のラベル(ドットで区切られたそれぞれの部分,例えばsra.co.jpなら`sra'`co'`jp'がそれぞれラベルです)は最大63バイトしか許されません.ところがUTF-8で日本語などマルチバイト文字を表すと長くなりがちです.例えば日本語の場合ほとんどの文字はUTF-8では3バイトになってしまうので,ラベルに使える文字数が20文字程度と少なくなってしまいます.そこでラベルの長さを長くするような拡張の提案もされています. 将来的にはこのようにプロトコルの変更・拡張を行うという方向に進むと思われるのですが,このためには既存のDNSシステムの実装も変更しなくてはなりません.つまりこれを実現するには世界中のDNSサーバがその拡張に対応しなくてはなりません.これには相当の時間がかかります.したがって最終的にはプロトコルの拡張で実現することとして,それまでの間の一時的なソリューションとして,プロトコルに一切変更を加えず,またDNSサーバも既存のまま多言語ドメ
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イン名を使用できるという方式が急浮上してきました.これがACEと呼ばれるもので,JPNICが始めようとしている日本語ドメイン名でもこの方式を採用しています.
多言語ドメイン名を扱うのになぜプロトコルの拡張が必要かというと,現在のプロトコルではドメイン名にASCIIの英数字とハイフンしか許していないからです.逆にいえばこの範囲の文字のみを使用して多言語ドメイン名を表現することができれば,プロトコルの拡張は不要で,現在の実装がそのまま使えるということになります.このための表現形式として提唱されたのがACE(ASCII互換エンコーディングの略)です.
現在ACEとしていくつかのエンコーディング方式が提案されていますが,現在の所最もポピュラーだと思われるのはRACEという方式です.前述のNSIやJPNICの多言語ドメイン名でもこのエン |