多言語ドメイン名
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最近,日本語ドメイン名なるものが話題になることが多くなりました.インターネットにおけるドメイン名といえばずーっと昔から英語(というかASCIIの英数字とハイフン)と相場が決まっていたのですが,この常識を打ち破って日本語(というか漢字やかななど)が使えるようになる,というものです.もちろんこれは日本語に限った話ではないので,一般的には「多言語ドメイン名」とか「国際化ドメイン名」と呼ばれています.具体的には,インターネット上のドメイン名からIPアドレス等の情報を検索するDNSというシステムで,ドメイン名として日本語などの非 ASCII文字を使えるようにしようというものです. これが10年前の話であれば「漢字のドメイン名?なにバカなこと言ってんだ」で片付けられたでしょうが,今やあらゆる広告にでかでかとURLが書かれている時代です.そこにアルファベットではなく漢字が書かれていればよりインパクトも増すでしょうし,漢字の名称の方が覚えてもらいやすいでしょう.そんなわけで多言語ドメイン名は時代の必然といえるかもしれません. ここでちょっとNSIやJPNICなど,ドメイン名の登録をしている組織の動向を書いておきましょう.まず,.comや.net等のドメイン名の登録を行っているNSI
Registry(現在は Verisign Global Registry Servicesという名前になっています)はすでにマルチリンガル
テストベッドというものを開始していて,日本語を含む複数の言語のドメイン名の登録を受け付けています.また.jp配下のドメイン名を管理するJPNICでも,汎用JPドメイン名(sra.jpなど,.jp直下のドメインを解放するというもの)に含む形で日本語ドメイン名の登録サービス開始に向けてのスケジュールを発表し,また先月から「フェーズ1」という名称で日本語ドメイン名の試験サービスを提供しています.
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準化はできていません.つまり標準化を待たずに開始してしまっているわけです.また登録されればすぐにWebやメールで使えるような気がしますが,実はそれも間違いで,これらの組織が行うのはDNSという,ドメイン名からIPアドレスを検索するサービスで多言語のドメイン名が使えるようにすることで,Webやメールはまた別の問題があるのです.
以下の文章では,この多言語ドメイン名の仕組みとその標準化,残された問題等にについて,技術的な視点から解説します.
DNSはインターネットの基幹を成すシステムなので,多言語ドメイン名の導入に当たっては方式の検討や与える影響を綿密に検討し,標準化を行う必要があります.これらは現在IETFのIDNワーキンググループで検討が続けられており,多言語ドメイン名処理のアーキテクチャからDNSプロトコルの拡張,ドメイン名のエンコーディング方式等各種の提案がなされています.これらの提案はそれぞれインターネット
ドラフトという文書の形になっており,ワーキンググループのWebページ
ワーキンググループでは検討を進め,来年の半ばには標準を規定してRFCを出す予定になっています.ということで現在まだ多言語ドメイン名を扱うための標準はなく,それを作ろうとしている段階です. ワーキンググループでは,将来の国際化DNSのあるべき姿の検討と,それまでの移行期間中(といっても何年間にもなってしまうかもしれませんが)のソリューションの2つの方向から検討を進めていますが,現在の議論の中心は後者の方で,特に多言語ドメイン名のエンコーディングについての提案が数多くなされています. 以降,ワーキンググループでの検討内容から,いくつかのトピックを拾って説明します. |
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