私が、意図的に感情を殺した Love Song をいくつか試作していた
   ころのこと、まだアン・ライス女史の小説がそれほど人気を集め
   てはいなかったけれど、吸血鬼をテーマにしたB級映画は毎年のよ
   うに作られていて、そのうちの一篇、おそろしく手足の長い人気
   黒人ファッション・モデル (名前は忘れた)が 吸血鬼の女王に扮
   したコミック・ホラー・ムービーを、サンフランシスコの場末の
   映画館で見て、ホテルの部屋に戻って安ウイスキーを飲みながら 
   Letter Pad になぐり書きした Light Verse: 
   
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       ヴァンプ
   
                       −  あなたは吸血鬼 ?
   
   相手の思いがけない拒絶の身ぶりに
   たじろいで  かれは
   まだ目覚めきれぬ街角の孤島に立ちつくす
   熱帯魚模様の霊柩車たちは
   さみしいアスファルトの海峡を
   一列に南へさかのぼろうとひしめきあい
   
                     −  かれらが吸血鬼さ !
   
   もはやどのようにもたとえようのない朝
   黒い雨傘で混雑する
   パジャマ仕立てのグランドホテル
   いやな匂いの朝食と交叉し
   ふたたび夢に落ちゆきながら
   少女はそっとこちらを見つめかえして
   
                 −  そう  そしてわたしも.
   
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SRA KISHIDA Kouichi, k2@sra.co.jp