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くらい扉
ちいさな仮面劇の主人公になる少女
風のなかに埋葬された小鳥の
屍骸のように
ふくれたくちばしがかの女の顔をついばむ
それなら
ないてみてもいいよ
と
あんないやなわらいかたをする仮面もある
さあ 手を
両手をあたまのうえにあげてあるいておゆき
少女よ 夜の街かどをまがり
さみしい家々のかたちをした男たちのあいだを
窓は
ゆめのなかの窓のようにひらいている
愛は
ゆめのなかの愛のようにみたされはしない
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[Postscript]
ポピュラー シンガーへのストーキングを主題にした女流ハードボイルド
作品を2冊読んだ. Kat Colorado (by Karen Kijevski) の "Honky Tonk
Kat" と Sharon McCone (by Marcia Muller) の "Broken Promise Land".
前者は福武文庫からシリーズが出ているのでいずれ翻訳が出るだろうが,
後者は徳間文庫のシリーズが1980年代までで中断してしまったのが残念.
映画 "ボディガード"は, 明らかにこれらの小説の影響下に作られたもの
と想像される.
ポップ音楽の歌詞を組み入れたミステリとしては, Lawrence Block の Mat
Scudder シリーズの "When the Sacred Ginmill Closes" (邦訳: "聖なる
酒場の挽歌" 扶桑社文庫) が, 伝説のフォーク歌手 Dave van Ronk の名曲
"Last Call" をうまくストーリー展開にはめこんでいて, 印象深かった.
しかし, わたしはまだこの無伴奏フォークソングの入ったレコード(絶版?)
を探しあてていない. ただ歌詞を読んだだけ.
これらの小説で取り上げられた唄が, フォークやカントリー ウェスタンと
いった演歌系列のものであるのは, なぜだろう? ハードボイルド ミステリ
は演歌の異母兄弟だということだろうか?
わたしのこの Short Ballad は, そうしたミステリとほぼ同じ線の上で,
一見ただの Love Song のように見えて, 実はそうではないという微妙なあ
たりをねらったのだが, そうはうまく行かなかったようだ.
KISHIDA Kouichi,
k2@sra.co.jp