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                架 空 教 団


砂の唇でその僧侶は笑う  円錐形の正午  まばゆい精

神の天蓋を持たぬこの寺院では  風は常に痙攣的に吹

く  世界の歯ならびの悪さに対するなぜか植物的な恐

怖を胸に  美しい教主の総領娘は  明日にでも自分が

破門されるかも知れないと  私に告げた  もしもこの

あたしたちのうちのだれかがだれかをころさなければ

いけないのだとしたら  もちろんあたしがあなたをこ

ろしますわ  次第に尖り行く午後の時間  風見の鶏は

自らの声を忘れ  人びとの祈りの小石を飲みこんでは

また吐く  いつかは消えてしまう呪いを信じられない

眼で  他人の過去に非難を投げてはならない  会堂の

裏へ歩いて行くと  複葉の樹林の囁きが私をいらだた

せ  陽だまりの小さな広場で  教主の息子たちは  や

さしすぎる謎を次つぎに繰り出して  私の心を乾かす

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[Postscript]  もしもわたしが「詩」をなにかのメッ
セージ(感情あるいは思想)をつたえるための手段だ
と考えていたら,この時代に,わたしはむしろ広告あ
るいは政治プロパガンダのコピーを書く道を選ぶだろ
う.わたしの「詩」は,だから,いわばスポンサーの
いないTVコマーシャルみたいなもの,たとえ解読し
ても無意味な軍事的暗号のようなものでしかない.


SRA KISHIDA Kouichi, k2@sra.co.jp