伴奏者
   
   目に見えるのは
   ただ
   階段のかたちをした
   夢みたいなものでしかない
   
   耳のなかで鳴りひびいている
   おそらく
   そのメロディは
   明日の夜には聞こえるだろう
   
      *
   
      ふと
      橋があり
      橋をわたってゆく
   
      遠くの
      窓の中
      帽子をかぶった男が
      しゃれた指使いで
      死んだひとりの女へのピアノを叩いている風景がある
   
      さあ
      わたしは
      足をどこへ捨ててゆけばいい ?
   
      *
   
   雨の日の港の広場
   まるで
   つめたい大きな唇のましたにすわっているかのように
   風が吹き
   
   それでも
   まだ
   唄声が耳の中にある
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   [memo] これも Jazz Mood の Light Verse 連作の1つ.


SRA KISHIDA Kouichi, k2@sra.co.jp