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時のおくれ
夢のなかでの部屋が
もしも
まだそのかたちをとどめているとすれば
それは しわだらけの夢
魚たちの髪
だれのゆびにも
からまりはしない
扉のなかの扉
部屋のなかの部屋
寝台のうえで
ひきさかれる叫び
鏡のむこうで
だれかが唄をうたっていて
窓が
わたしの耳であるかのように
どこへともしれず
にげてゆく唄
きいていない耳
その鳥は もう
化粧をすませ
わたしの足が
しだいに
ねじれてゆくのを
みて わらっている
そこで
羽をすぼめ
わらっている一羽の鳥
どうして?
と たずねることもできないまま
室内は反転現像され
食卓には
猫たちの舌
そして
わたしの舌
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[Postscript] 「時の流れ」について議論をしたあと,時間をテーマ
にした詩を古いノートのなかでさがしてみた.いくつかの未定稿のう
ちのひとつがこれ.
口のわるい友人には,「マックス・エルンストあたりの版画に負け
ているね」と,ひとことでかたづけられてしまったが .... :-)
KISHIDA Kouichi,
k2@sra.co.jp