アメリカではやっている(?) 頭文字遊び (これは日本にもある) を試みてみ
ました:

   P is for Poor	あわれな 
   O is for Old		年老いた
   E is for Elephant	象が
   M is for Moans	うめいている
   S is for Sadly	かなしげに

ところで、私自身、プロラミング言語を使っての使ってコンピュータとの意
志疎通をはかることに熱中していて、ふと気づくと、人間のことばを扱う技
術がなんとなく衰えてきたように感じた時期がありました。言語感覚の回復
のために私が考えた手段は、地口・回文・なぞなぞ・その他の、ことば遊び
を試みることでした。

たまたま、加島祥造さんが Light Verse と題する連作を書いておられたの
をヒントにして、自分も、あまり肩肘はらずに、軽い戯れ唄を書いてみよう
としたことがあります。

次の詩は、そんな時期に、あるジャズ喫茶で、マル・ウォルドロンのピアノ
を聴きながら作ったものです。

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    	    港の鏡
	
	だまっている
	いつまでもだまっている
	その箱のなかの娘の声
	もつれあう髪
	ふるえるまぶた
	そんなにもうすいまぶたのうえに
	いらだたしい格子模様の旋律をのせ
	
    	あるいは雨の日  午後
    	くすりをのみすぎたような娘の姿が
    	つめたくわたしの視線をとらえ
    	そのまま
    	ならんであるきだすまでのみじかい時間
	
	こわれた窓
	ひらかれた椅子
	壁のなかにひろがる  死者の
	おおきな鏡に
	だれかのおそろしい手がうつっている
	
	はてしない指のしたたり

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その時聴いていたアルバムのタイトルは Left Alone。"そういえば、かれは
ビリー・ホリデイの伴奏をやっていたんだよね" といった会話を友人とかわ
しながら、曲名 Like Someone in Love を日本語に直し、それをメモ用紙に
タテ書きにして、ランダムに思いつくことばを書きならべ、それらのことば
から連想されるイメージをひとつにまとめようとしてみたのです。

Love Song にちょっと恐怖の味わいを加えた形でまずまずうまくいったと思
っていたのですが、しばらくして、都築道夫さんの Travel Horror Mistery
"雪崩連太郎幻視行・怨霊行" を読んで、負けた! と感じました。やはり、こ
とばで触発されるイメージに頼っているだけでは、"詩" いうジャンルは小説
にくらべて弱すぎる。

もっとも、都築さんは雪崩連太郎シリーズを 15作で打ち止めにしたらしいか
ら、もう一度挑戦してみてもいいかな? と考えている今日この頃です。


SRA KISHIDA Kouichi, k2@sra.co.jp